カール・リヒター ブランデンブルグ協奏曲の解説と分析。その魅力や聴きどころ。

出典:[amazon]バッハ:管弦楽組曲第2番&第3番、ブランデンブルク協奏曲第5番

「ブランデンブルグ協奏曲」って知ってる?と聞かれても、クラシック音楽ファンでなければ、ほとんどの人は「知らない」と答えるのではないでしょうか。「ブランデンブルグ協奏曲」は「G線上のアリア」や「主よ人の望みよ喜びよ」など多くの名作を生み出した、バロック時代の巨匠ヨハン・セバスチャン・バッハによって作曲されました。この記事では「ブランデンブルグ協奏曲」の解説とその魅力を紹介します。

バッハの生涯

バロック音楽を代表する音楽家であるバッハは、1685年ドイツのアイゼナハに生まれました。バッハ家は代々続く名門音楽一族で、バッハの父も音楽家でした。幼少のころより教会に通い音楽に触れていたことが、後のバッハの音楽人生の基礎になったのは言うまでもありません。

バッハの人生は、まさに波乱万丈でした。9才で母親を亡くしたバッハは、12才の頃には合唱隊に所属し、家計の助けのためにお金を稼いでいたそうです。20才のときには教え子に剣で切りかかって格闘になったり、仕えていた領主の怒りを買って4週間の留置生活を送ったりなど、意外にも気性が荒かったことをうかがわせるエピソードがたくさんあります。

子だくさんであったのも有名で、最初に結婚したマリア・バーバラとの間に7人、再婚相手のアンナ・マグダレーナとの間には13人の子供を授かりました。

各地を転々とし多くの領主に仕えてきたバッハは、1750年65歳で亡くなりました。晩年は脳卒中や2度にわたる目の手術の失敗などで、床に伏すことが多かったそうです。

バッハの音楽の特徴

いまでこそ「大バッハ」や「音楽の父」といわれるバッハですが、同じ時期に活躍していたヘンデルと比べると、当時はあまり有名ではありませんでした。むしろ有名なのは、バッハの子供たちでした。死後もあまり評価されることはなく、当時の人々にとっては地方のオルガン奏者・専門家という程度の扱いだったそうです。

バッハの復活

バッハの死後、しばらくの間はその業績が世間に広がることはなく、バロック時代の作曲家の1人とされるくらいでした。ところがある日、ロマン派の作曲家メンデルスゾーンがバッハの楽譜を手に入れたことによって、バッハの評価が大きく変わり始めます。バッハが「音楽の父」と称されるまでには、死後およそ100年の月日を待たなくてはならなかったのです。

バッハのその他の代表作

生涯で1000曲以上作曲し、なかでも「マタイ受難曲」はキリスト教音楽ならびにクラシック音楽の最高峰と言われています。宗教音楽以外でも「音楽の捧げもの」「フーガの技法」「ゴールドベルグ変奏曲」「無伴奏チェロ組曲」など数多くの傑作を残しています。

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ブランデンブルグ協奏曲とは

6つの協奏曲から構成される協奏曲集で、曲名はブランデンブルグ辺境伯(へんきょうはく)であった、クリスティアン・ルートヴィヒに献呈されたことに由来します。
しかし「ブランデンブルグ協奏曲」という曲名はバッハ自身が名付けたものでありません。シュピッタという研究者の「バッハ伝」において、後に命名されたものです。

1番から6番まで全て長調で作曲されており、どの曲も明るく華やかなのが特徴です。6曲の編成はそれぞれ違いますが、全てバロック音楽の協奏曲形式で作曲されています。

実はこの協奏曲集は献呈のために特別に作曲されたものではなく、バッハが献呈の依頼を受けた2年後に、ようやくルートヴィヒに贈られたとされています。献呈依頼を受けた理由は、当時のバッハは仕事を求めて各地を転々としていたことから、宮廷へ勤めるための就職活動だったのではなかいかと考えられています。

ブランデンブルグ協奏曲第1番

ヘ長調 演奏時間はおよそ20分。
全4楽章で構成。作曲年1718~1719

・6曲の中でもっとも大規模

独奏楽器群

・ホルン
・オーボエ
・ファゴット

ブランデンブルグ協奏曲第2番

ヘ長調 演奏時間およそ15分
全3楽章で構成。作曲年1718~1719

・3楽章のフーガが特徴

独奏楽器群

・トランペット
・オーボエ
・リコーダー
・バイオリン

ブランデンブルグ協奏曲第3番

ト長調 演奏時間およそ10分
全3楽章で構成。作曲年1718

・独奏楽器群と合奏楽器の区別なし

ブランデンブルグ協奏曲第4番

ト長調 演奏時間およそ10分
全3楽章で構成。作曲年は1719~1720

・1楽章の3拍子が特徴

独奏楽器群

・バイオリン
・リコーダー

ブランデンブルグ協奏曲第5番

ニ長調 演奏時間およそ20分
全3楽章で構成。作曲年は1720~1721

・チェンバロ協奏曲の元祖となった作品

独奏楽器群

・フルート
・バイオリン
・チェンバロ

ブランデンブルグ協奏曲第6番

変ロ長調 演奏時間およそ20分
全3楽章で構成 作曲年は1718

・弦楽合奏曲でありながらバイオリンなし

独奏楽器群と合奏楽器の区別なし

まとめ

今回は、「ブランデンブルグ協奏曲」をご紹介しました。どの曲も軽快で明るい作品ですので、ご自身でもぜひお好みの演奏を探して見てください。最後に、おすすめの演奏をご紹介します。カール・リヒター演奏のブランデンブルグ協奏曲第5番です。チェンバロを弾きながら指揮をする姿がとても魅力的な演奏です。

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